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民法(相続税)改正!配偶者居住権の創設-NEWS&TOPICS-

お知らせ

2018/08/21

平成30年7月6日、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)が衆議院本会議で可決・成立し同年7月13日に公布されました。
昭和55年以来の大規模見直しの中でも、今期は配偶者の居住権保護に関する法律について触れます。
相続が発生した場合の配偶者の居住権を保護する制度として、「配偶者短期居住権」と「配偶者居住権」というものがあります。呼称が似ているので混同しがちですが、異質なものです。
<配偶者短期居住権>
配偶者が相続開始時に被相続人の建物(居住用建物)に無償で住んでいた場合には、以下の期間居住用建物を無償で使用する権利(配偶者短期居住権)を取得することができます。
① 配偶者が居住用建物の遺産分割に関与するときは、居住用建物の帰属が確定する日までの間(ただし、最低6か月は保障)
② 居住用建物が第三者に遺贈された場合や、配偶者が相続放棄した場合には居住用建物の所有者から消滅請求(明渡し請求のことです)を受けてから6カ月の間
現行制度でもよっぽどのことがない限り配偶者は被相続人との間で使用貸借権を推認されましたし、また居住用建物は相続人の共有遺産であり、相続開始時に使用貸借されていたものはその通りに管理維持されることになるので、遺産分割確定までは配偶者以外の同居する相続人は住み続けることができることとされていました。しかし今回の改正では、遺言書や遺産分割で配偶者に居住用財産が相続されない場合や配偶者が相続財産が債務超過になるなどの理由に相続を放棄した場合であっても、新たな所有者から明渡の請求を受けてから6カ月住み続けることを画一的に主張できるので、その間に生活を立て直すことができます。

<配偶者居住権>
配偶者の短期居住権は一定期間(6カ月)居座る一時的な手当ですが配偶者居住権は、居住用建物を所有権と使用権(終身若しくは期限付き)を分離して、後者を配偶者が取得するという自己の居住を目的とした質権のような性質のものです。この権利は相続の上では財産として扱われますので、単体で遺産分割や遺贈等により配偶者に相続させることができます。また居住権を第三者に主張するため登記をすることもできます。ではその価値はということですが、例えば土地建物を子が相続し配偶者居住権を配偶者が相続した場合、不動産の価額が多いと他の預貯金等の具体的相続分が減ってしまいますし、相続税の負担も大きくなります。そこで配偶者居住権を配偶者の余命年数(若しくは契約年数)と法定利率で現在価値に割り戻した価額で評価し、子の不動産の価額は現在の評価額から配偶者居住権を控除した価額で評価します。

配偶者に居住用不動産を共有で相続させるという方法もありますが、相続人間で争いになった場合に、共有物の分割の訴訟を起こされたり他の共有者から使用収益分の損害賠償請求を起こされる可能性もあり、高齢な配偶者がこれに対峙するのは酷です。配偶者居住権で手当てする方法がいいでしょう。配偶者も居住が約束されない建物に住み続けるのは気が気ではない、ストレスが溜まるものです。

実際には自宅土地について相続税の「小規模宅地等の評価減」を受ける選択をすることが多いでしょうから、同居する子がそのまま居住用財産を取得するケースが多いでしょう。