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家族信託を相続対策の選択肢に推奨
認知症になる前の有効な財産管理法
「相続人全員が納得できる着地点へ導く」薬袋税理士事務所の所長薬袋正司さんは、利害が複雑にからむ相続問題を多角的視点で解決に導いてきた相続のスペシャリスト。高齢化が加速し、労働省の推計で2025年には認知症を患う人の数が700万人を超え、65歳以上の高齢者の5人に1人が罹患するといわれる時代の中で、有効な相続対策の選択肢として推奨しているのが「家族信託」だ。
薬袋さんは、この制度の仕組みの説明を前に、認知症を発症して意思判断能力が欠如すると、遺言書の作成や契約の締結、遺産分割協議、相続の承認、放棄、預金の引き出し、住居の新築や改築などができなくなると指摘、親が元気なうちに相続対策に着手する重要性を説く。「家族信託とは、主に親が信託契約などによって保有する財産を信頼できる子どもなどの家族に託して、特定の目的に沿って、財産の管理や処分をすることを任せるという仕組みです。2006年の信託法改正によって営利を目的としなければ個人にも財産を信託することができるようになり、認知症への懸念を背景に注目度を高めている制度です」
これを推奨するのはメリットの多さからだ。「家族信託は、本人が元気なうちに財産管理を家族に託すことで資産凍結のリスクを回避でき、かつ、受託者はあらかじめ締結している信託契約の目的に反しない限り、不動産の売却、買換、アパート建設などの柔軟な財産管理をすることができるため相続対策を行うことができます。また判断能力が喪失してしまう前に贈与によって次の世代に財産を移転させてしまうと多額の贈与税が発生してしまう恐れがありますが、家族信託で信託契約を結んでおけば、受託者へ財産を移転した際には贈与税は課されません。さらに自身の死亡後の財産の承継先について、遺言によって定めておくことができますが、家族信託でも、受益者死亡後の信託財産の帰属先又は次の受益者を定めておくことで遺言と同じような効果をもたらすことができます」
成年後見制度や生前贈与と対比しながら財産承継や生前の財産管理方法のリスク対策を支援する元には相談が絶えない。