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らせNEWS&TOPICS

相続の承認と放棄の選択はどのようにするのでしょうか-NEWS&TOPICS-

お知らせ

2019/07/19

Q:相続の承認とは
A:
相続の承認には単純承認と限定承認があります。相続財産の一部だけ承認することはできません。
① 単純承認とは、責任を限定することなく、被相続人の権利義務を相続人に包括承継させる効果を確定させることです。
② 限定承認とは、被相続人の積極財産の範囲で相続債務及び遺贈の弁済義務を負うとして責任を限定した上で被相続人の権利義務を相続人に包括承継させる効果を確定させることです。

Q:相続の放棄とは
A:
相続開始より相続人ではなかったものとして、相続人が遡及的に相続の権利義務を失うことです。相続財産の一部のみ放棄することはできません。

Q:未成年者など行為能力がない者はどうしたらいいですか?
A:
未成年者の場合、親権者若しくは後見人の同意を得て行うか(未成年者に意思能力がある場合)、又は親権者若しくは後見人が未成年者を代理して行う必要があります。なお後見監督人が存在する場合には、後見監督人の同意が必要です。
成年被後見人の場合、後見人が被後見人に代わって単純相続、限定承認及び相続放棄を行うことになります。
被保佐人の場合、保佐人の同意を得て行います。

Q:利益相反となる場合はどうなりますか?
A:
未成年者の場合、親権者及び未成年者の双方が相続人の場合、親権者が相続を放棄しないにもかかわらず未成年者が相続放棄することは、親権者と未成年者との間で利益相反が生じるため、未成年者のために特別代理人を選任することを家庭裁判所へ請求しなければなりません。同様に、親権者が複数の未成年者の親権を行う場合にも、未成年者間にて利益相反が生じるのであれば特別代理人を選任してもらう必要があります。
また、後見人と被後見人の間に利益相反が生じる場合で、後見監督人が存在しない場合にも、後見人は特別代理人を選任してもらう必要がありますし、保佐人と被保佐人との間で利益相反が生じる場合で保佐監督人が存在しない場合にも保佐人は特別代理人を選任してもらう必要があります。

Q: 相続開始前に承認・放棄をすることはできますか?
A:
「相続は死亡によって開始する」とされており、被相続人が死亡していない限り、被相続人の権利義務を包括承継することを前提とする承認、放棄をすることはできません。

Q:承認・放棄をするための方式は?
A:
単純承認する場合には特段の手続きは要求されません。限定承認及び放棄をする場合には、その相続人は自己のために相続開始があったことを知った時から3カ月以内に家庭裁判所に対して手続きしなければなりません。これらの手続きをしなかった場合、単純承認したものとみなされます。ただしこの手続きについては後述の通り、庭裁判所における審判により伸長することが可能です。

Q:熟慮期間の起算日は?
A:
単純所承認、限定承認または相続放棄のいずれかを選択するための熟慮期間の起算日は、相続人が相続の開始によって自分が相続人になったことを知った時とされています。ただし相続財産が全く存在しないと信じたことを理由に限定承認または相続放棄をしなかった場合であって、かつ諸般の事情から相続財産の調査をすることが著しく困難な事情がある存在し、相続人において相続財産が全く存在しないと信じるについて相当な理由がある場合には、相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識した時、又は通常認識できたであろう時から起算することとされています。
では、相続人が複数いる場合の起算日はどうなのでしょうか。起算日は相続人ごとに異なり得るため、同起算日が異なる場合には熟慮期間が相続人毎に進行します。
また、熟慮期間は延長することも可能です。相続財産の構成の複雑性、所在地、相続人の海外や遠隔地所在などの状況のみならず、相続財産の積極、消極財産の存在、限定承認をするについての共同相続人全員の協議期間並びに財産目録などを考慮して審理されます。利害関係人又は検察官の請求によって家庭裁判所が決定します。「債務超過かもしれない・・・」と思われるときは取り敢えず家庭裁判所に相談してください。

Q:相続人が承認・放棄をしないまま死亡した場合の起算点は?
A:
この場合死亡した相続人(第一次相続人)の相続人(第二次相続人)において相続開始があったことを知った時が起算日となります。第二次相続人は、第一次相続及び第二次相続の双方について単純承認、限定承認又は相続放棄のいずれかを選択することになります。
ただし第二次相続人は、第二次相続において放棄した場合には、第一次相続に関する選択権を相続しなかったことになるので、第一次相続の単純相続又は限定承認をすることができません。これに対し、第二次相続人において第二次相続を放棄していない場合には、第一次相続につき相続することができ、かつ第一次相続につき相続放棄しても、それによって第二次相続につき承認又は放棄するのに何らの障害にならず、またその後に第二次相続人が第二次相続を放棄しても、第二次相続人が先に再転相続人たる地位に基づいて第一次相続につきなした放棄の効力が遡って無効になることはないとした判例があります。

Q:相続人が未成年者又は成年後見人である場合の起算日は?
A:
相続人が未成年者または成年後見人であるときは、本人が知った日を起算とすると法定代理人にとって期間が短い場合もあります。法定代理人が十分な情報を得られるようにその法定代理人が未成年者又は成年後見人のために相続があったことを知った日から起算されます。