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相続に承認と放棄の撤回、取消しはできますか?-NEWS&TOPICS-

お知らせ

2019/07/24

Q:相続人は承認・放棄を撤回することはできるのでしょうか?
A:
相続人は一度承認や放棄をした場合には、それが熟慮期間内であったとしても撤回をすることはできません。自由に承認や放棄の撤回を認めてしまうと法的安定性が確保できないからです。

Q:民法上の規定に基づき、承認・放棄を取り消すことはできるのでしょうか?
A:
相続の承認及び放棄は撤回することができないとされていますが、民法の規定の事由のある場合には相続放棄の取消しの申述を家庭裁判所にすることにより取り消すことができます。
(1) 民法第一篇(総則)の機影による事由
取り消すことのできるのは①から④までは未成年者ら放棄の申述をした制限能力者とその法定代理人、及び同意権者です。⑤については放棄の申述をした者です。
① 未成年者が法定代理人の同意を得ないでした場合
② 成年被後見人本人がした場合
③ 被保佐人が保佐人の同意を得ず、かつ同意に代わる家庭裁判所の許可をも得ないでした場合
④ 相続放棄が要同意行為とされている場合に、被補助人が補助人の同意を得ず、かつ同意に代わる家庭裁判所の許可をも得ないでした場合
⑤ 詐欺又は強迫によってした場合
(2) 民法第四編(親族)の規定による自由
取消しをできるのは被後見人・後見人です。
① 後見人が後見監督人の同意なくして被後見人に代わって放棄した場合、及び後見人が後見監督人の同意なくして未成年被後見人のした放棄に同意した場合
② 未成年後見人が未成年被後見人の親権を代行する場合において、未成年後見監督人の同意なくして親権に服する者に代わって放棄した場合及び未成年後見監督人の同意なくして親権に服する者のした放棄に同意した場合

Q:承認・放棄を取り消す方式はどうすればいいですか?
A:
先述、民法の規定に基づき限定承認又は相続放棄の取消しをする場合には、その旨を家庭裁判所に申述しなければなりません。取消権については、民法124条の追認の要件を備えたときから6カ月の経過により消滅し、また承認又は放棄の時から10年の除斥期間経過により消滅することになります。

Q:相続放棄取消しの申述が受理された後、他の相続人は相続放棄の取消しの有効性を争うことができますか?
A:
相続放棄をした者は、民法919条2項に基づき、相続放棄取消しの申述受理申立てをすることができ、例えば意思能力を欠いていたことを理由に取消しの申述を行い、それが受理されたとしても、他の相続人はその者が意思能力を有していたとして、相続放棄の有効を前提に、相続権不存在確認の訴えなどを求めることができます。

Q:取消後、承認・放棄はどうすべきでしょうか?
A:
法的安定性確保の観点から、遅滞なく承認又は放棄をする必要があると思われます。少なくとも取消後、民法915条1項所定の熟慮期間内には承認又は放棄をすべきでしょう。

Q:承認・放棄をするまでの間の財産は誰が管理すべきでしょうか?
A:
各相続人において、その固有財産と同一の注意義務をもって管理することになります。
この場合、家庭裁判所に対する請求に基づき相続財産管理人を選任してもらうことで、相続財産を保存することが考えられます。