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らせNEWS&TOPICS

相続の承認-NEWS&TOPICS-

お知らせ

2019/07/26

Q:単純承認とは何ですか?
A:
単純承認とは、責任を限定することなく相続人の権利義務を相続人に包括的に承継させることをいいます。限定承認又は相続放棄のように手続きを要するものではなく、以下の場合に単純承認した(意思表示をした)ものとみなすとされています。(民法921条)
① 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。(短期の賃貸を除く)
② 相続人が熟慮期間内(起算日から3カ月間)に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
③ 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

Q:共同相続人の1人が単純承認した場合、他の共同相続人に影響を及ぼすでしょうか?
A:
共同相続人の1人が単純承認をしたとしても、他の共同相続人は単純承認若しくは相続放棄することができます。ただし、限定承認は相続人全員が共同で行う必要がるため、他の共同相続人は限定承認できなくなります。

Q:民法921条1号の処分について
A:
処分というのは、相続財産の現状又は性質を変更することです。相続人が自己のために相続が開始した事実を知りながら相続財産を処分したときか、また少なくとも相続人が被相続人の死亡した事実を確実に予想しながら、あえてその処分をした場合が該当します。錯誤や詐欺に基づき処分行為を行った場合は、処分行為を無効または取消しをすることにより法定単純承認の効果も発生しないという余地はあるものと考えられます。
<処分行為の例示>
〇 相続財産である土地を第三者に売却した
〇 価値のある動産を第三者に贈与した
〇 相続開始後に、相続放棄する前に被相続人の債権を債務者から回収した
〇 被相続人が賃借していた不動産について、相続人が賃借権確認の訴訟を提起した
<処分行為に当たらないものの例示>
〇 父が行方不明になり(その後死亡が確認された)、事業のための借入金返済のために営業用財産を処分した
〇 相続財産で被相続人の葬儀や墓石購入費用に充てた
〇 相続財産が相当多額にある状況の中で、形見の趣旨で僅かな一部の遺品を持ち帰ったような場合

Q:「隠匿」とはどのようなことをいうのですか?
A:
相続関係者やどの他の利害関係人に損害を与えるという詐害的意思に基づき、相続財産の全部若しくは一部を隠匿することをいいます。
「私に消費」とは、ほしいままに処分して原形の価値を失わせることをいいます。なお、相続財産を「隠れて」消費する場合に限られているわけではありません。
「悪意の不記載」とは、相続財産を隠す意図に基づき限定承認した場合に作成される財産目録に、特定の相続財産を記載しないことをいいます。

Q:相続人が相続放棄したことにより相続人となった人が相続に承認をした後に、先の相続人が相続財産を隠匿したり消費した場合はどうなりますか

A:
相続財産の隠匿や消費により先の相続人が単純承認をしたものとみなされてしまう場合、同相続人が相続放棄したことによって相続人となった人が相続権を失うことになってしまうことから、先の相続人は単純承認したものとはみなされません。